「口唇口蓋裂」をご存じでしょうか?
お母さんのおなかの中で、
赤ちゃんが成長する過程のなかで
赤ちゃんの口もと(上唇・口の中の天井部分)の形成が
うまくいかなかった場合におこる現象なのですが、
日本では500人に1人ぐらいの割合で発症します。
顔に起こる先天異常の中では
最も高い頻度のものの一つなのだそうですが、
顔の目立つ部分の症状ですし、
治療も程度の差はあれ、長期に及ぶ場合が多いです。
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この絵本は、
「口蓋裂」で生まれてきたお子さんを持つお母さんが、
いつか娘が自分の口のことを不思議に思ったとき、
他の絵本を見るときと同じように見て、
楽しく理解していってもらいたい
という思いでつくられた作品です。
主人公のチーちゃんと、
いとこの「ともみ」ちゃん。
自分にあって、ともみちゃんにない口もとの傷。
どうしてなの?
不思議がるチーちゃんに、
お月さまが
お母さんのおなかにいた時のお母さんとチーちゃん、
手術をしたチーちゃんを見せわかりやすく教えてくれます。
読み終わると、
手術の傷も、なんだか愛おしく感じてくる。
そんなあたたかい気持ちになれる絵本です。
★タイトル:チーちゃんのくち
★文と絵:わたなべ まみ
★監修:日本口蓋口蓋裂協会
★発行年:2005年9月